
あなたはヘミシンクをご存じですか。
聞いたことはあるけれど、正確には知らない、という方が多いのではないでしょうか。
聞いたことがある方の中にも、「死後の世界を垣間見ることができるらしい」「自分の過去世を知ることができるらしい」という、間違ってはいないものの正確ではない知識をお持ちの方から、「なんだか怪しい」「危険なものらしい」という否定的なイメージをお持ちの方まで、さまざまだと思います。
いずれにしても、ヘミシンクのことを正確に知っている方は、それほど多くないというのが実情のようです。
今回は、その得体の知れないヘミシンクについて、最初の一歩として、正確に理解していただけるようお伝えしていきます。
私自身、高校時代に同級生を立て続けに亡くした経験から「死んだらどうなるのか」という問いにずっと向き合ってきました。そんな私がヘミシンクにたどり着くまでの詳しい経緯や、その後の体験については、以下の記事で詳しくお伝えしていますので、興味を持たれた方はぜひ併せてお読みください。
▼関連記事▼
ヘミシンクとは?効果、やり方のコツ、おすすめCDを専門家が解説!
そもそもヘミシンクって、なんだ?
ヘミシンクの生みの親、ロバート・モンロー
ヘミシンクは、アメリカ人のロバート・モンローという一人の男性によって生み出されました。
モンローは第二次世界大戦後、ニューヨークでラジオ番組の制作会社を経営していました。テレビもインターネットもまだない時代、人々の娯楽の中心はもっぱらラジオでした。彼の会社が制作する番組はとても人気が高く、最盛期には週に28本もの番組を制作していたと言われています。
自らのビジネスで大きな成功を収めたモンローは、当時のアメリカを象徴するような成功者の一人だったと言えるでしょう。
はじまりは、体外離脱
ラジオ番組制作で成功を収めたモンローですが、1950年代、睡眠学習用の教材開発のためにさまざまな音を自ら聞いていたある日、体外離脱を経験します。
彼はグライダーで空を飛ぶのが趣味で、その日も就寝前にグライダーで空を飛ぶイメージをしていたところ、ベッドから落ちてしまったように感じました。実際には、彼の身体(正確には、非物質とされる「第2の身体」)が肉体から離れて宙に浮かび上がり、そのまま天井にぶつかった、という出来事だったようです。
詳細については、モンローの伝記「ロバート・モンロー伝:ロバート・ラッセル著(中央アート出版社刊)」もあわせてお読みください。
当時、体外離脱という現象はほとんど知られていなかったため、モンローは「自分は死んでしまうのではないか」という強い恐怖に襲われました。医師の診察を受けても、身体的にも精神的にも異常は見つからず、答えは得られませんでした。それでも体外離脱は収まらず、頻繁に繰り返されました。
突如訪れた転機
そんなある日、モンローはある大学の研究機関を訪れた際、そこの学生も自分と同じように体外離脱を頻繁に経験していることを知ります。
これは、モンローにとって大きな出来事でした。自分だけの特別な現象ではなかったのだと知ったことで、彼はこの現象について、本格的に調べ始めるようになります。
そして、この現象が起こり始めたのが、音の研究をしていた時期と重なっていたことから、「何か音と関係があるのではないか」と考え、研究を重ねた末に完成したのが、ヘミシンクです。
ヘミシンクの原理とは?
ヘミシンクの原理を簡単に説明すると、人間の脳は「脳波」という微弱な電流を発しています。この電位は周期的に変動しており、その変動の速さ(周波数)が、私たちの意識状態と関係していることが分かっています。
普段、目を覚まして活動しているとき(覚醒しているとき)の脳波は「ベータ波」と呼ばれ、14Hz(ヘルツ)以上です。リラックスしているときの脳波は13Hz〜8Hz程度で「アルファ波」、浅い眠りや瞑想をしているときは7Hz〜4Hz程度まで下がり「シータ波」、深く眠っているときは4Hz以下になり「デルタ波」と呼ばれます。
これらのうち、アルファ波からシータ波にかけての状態を「変性意識状態」と呼びます。
広い意味を持つ「変性意識」
変性意識とは、簡単に言えば「普段とは違った意識状態」のことです。
ソファでリラックスしてうとうとしているときの、半分夢見心地の状態も変性意識状態ですし、瞑想しているときや催眠術にかかっているときの意識も、変性意識に含まれます。お風呂に浸かってゆったりしているときに、思いがけない閃きが訪れることがありますが、これもある意味で変性意識状態だと言われています。
モンローが体外離脱をしているときの意識状態も、この変性意識だとされています。彼が体外離脱中に体験したさまざまな出来事は、体外離脱をしていなくても、脳波が変性意識状態のときに起こりうることが、分かってきました。
ここでモンローはひとつの気付きを得ます。
脳波を、変性意識状態のときと同じ状態にすることができれば、誰もが変性意識になれるのではないか——。
瞑想を極めて至高の体験に至るには、長年の修行が必要とされます。でも、その体験に至った人の脳波を意図的に作り出すことができれば、修行を重ねなくても、同じような体験に近づけるのではないか。モンローの発想は、いたって合理的でした。
では、変性意識状態に脳波を誘導するには、どうすればいいのか。それを研究し続けた末に生まれたのが、ヘミシンクです。
ヘミシンクについてのテクニカルな説明
脳波を特定の周波数(変性意識に相当する4Hz〜10Hz程度)に誘導するには、どうすればいいのか。
単純に考えれば、その周波数の音を聴かせればいいように思えます。ただ、人間の耳に聞こえるのは20Hz以上の音とされているため、4Hz〜10Hzの音は、そのままでは聞こえません。
そこでモンローが用いたのが、「バイノーラルビート」という技術です。
バイノーラルビート
バイノーラルビートとは、左右の耳に異なる周波数の音を聴かせることで、その周波数差に相当する脳波が、脳幹という部位で生成されるという技術です。100年以上前から知られていました。
たとえば左耳に100Hz、右耳に104Hzの音を聞かせると、その差である4Hzが脳波として脳幹で生成され、左右両方の脳に伝えられます。
通常、人間の脳は左脳と右脳が独立して働いています。左脳は論理的思考を、右脳は創造性などを司ると言われますが、両者が同調して機能することは、あまりありません。ところが、左右の耳に周波数差のある音を聴かせることで生成された脳波は、左右両方の脳に働きかけ、同調させることが分かってきました。
左右半球脳の同調(Hemispheric Synchronization)——これを略して、Hemi-Sync(ヘミシンク)と呼びます。
ここまでの説明でお分かりいただけるように、ヘミシンクそのものは、決してスピリチュアルなものではなく、れっきとした音響技術です。長年の修行の末にたどり着けるような深い瞑想状態や体外離脱に近い体験に、ヘッドホンで音を聞くだけで近づける可能性がある——それが、ヘミシンクの技術的な特徴です。
▼関連記事▼
ヘミシンクを聴くのにオススメのヘッドホン厳選モデルを紹介します!
ヘミシンクについての素朴な疑問
ここでひとつ、疑問が浮かぶ方もいると思います。
脳波をコントロールするのは、危険なのでは?
こうした疑問が、「ヘミシンクは危険なのでは」という誤解につながっているのかもしれません。
ヘミシンクは脳波を誘導するとはいえ、あなたの意思を超えて無理やりコントロールするものではありません。ヘミシンクで脳波を特定の意識状態に誘導しようとしても、聞いているあなた自身がその状態になりたくないと思えば、脳波は誘導されません。これは実際に聞いてみれば、ご理解いただけると思います。
ロバート・モンローはヘミシンクを開発し、1970年代にヴァージニア州のブルーリッジ山中に、モンロー研究所を設立しました。そして今日に至るまで、ヘミシンクを通じた人間意識の探求が続けられています。
まとめ
ヘミシンクについて、その成り立ちと原理を中心にお伝えしてきました。
今回の説明で、ヘミシンクそのものが怪しいものでもオカルト的なものでもなく、れっきとした音響技術であることを、ご理解いただけたのではないかと思います。
では、このヘミシンクを使うことで、実際にどのような体験ができるのか。私自身の体験も含めて、以下の記事で詳しくお伝えしています。ぜひ併せてお読みください。
▼関連記事▼
ヘミシンクとは?効果、やり方のコツ、おすすめCDを専門家が解説!
関連カテゴリー:ヘミシンク体験
免責事項
本記事は一般的に知られている情報・スピリチュアルな視点をもとに構成されています。
記事内でご紹介している内容は、特定の効果や結果を保証するものではなく、すべての人に同じような体験が得られるとは限りません。
また、ヘミシンクは医療行為ではなく、診断や治療を目的とするものではありません。
精神的な不調、強い不安感、または身体的な症状がある場合には、自己判断で解決しようとせず、必ず医師・臨床心理士などの専門家にご相談ください。
筆者プロフィール
Hiro(アクアヴィジョン・アカデミー公認ヘミシンク・トレーナー)
2008年よりヘミシンクを本格的に探究し、意識の拡張や内的成長をテーマに継続的に実践。
アクアヴィジョン・アカデミー公認ヘミシンク・トレーナーとして、これまでに延べ1,000名以上の参加者にプログラムを提供・ガイドしてきた実績を持つ。
現在は、スピリチュアルや意識の世界を探究するブログを複数運営中。
専門知識と体験に基づいた、初心者にもやさしい情報発信をモットーに、誰もが自分の内なる声とつながるきっかけづくりをサポートしている。



コメント