ペットを飼う人が増えています。
ペットと言えば犬や猫を飼う人が圧倒的に多いですが、なかにはハムスターのような小動物や鳥、は虫類などを飼う人も増えていますね。
人と会って騒いだりすることがはばかられる昨今、その癒やしをペットに求めること自体は決して悪いことではありませんが、さまざまな問題も浮き彫りになってきています。
そのひとつが「ペットの埋葬問題」です。
家族同様に暮らしてきたペットが死んでしまったとき、どのようにお別れをするのか、そこまで考えてペットを飼い始める人は多くはないでしょう。
死んでもペットと離れたくないという思いから、自宅の庭に埋葬したいと考える人も数多くいますが、これって何か問題があるのでしょうか。
実はこれ、さまざまな問題をはらんでいるんです。
今回はペットの死後、骨を庭に埋めることについての是非と問題点について、現実面とスピリチュアル面から説明していきたいと思います。
ペットの骨を庭に埋めることの是非
人間が亡くなった場合、埋葬に関しては法律で定められているため勝手なことは出来ないようになっていますよね。
いくら自分の大事な家族だと言っても、遺体を土葬したり火葬後のお骨をむやみに処分したりすれば法律で厳しく罰せられることもあります。
ましてや家族の遺体や骨を庭に埋めたりすれば、それはもう完全に死体遺棄という犯罪ですから絶対にやらないでくださいね（やらないと思いますけど）
ではペットの場合はどうでしょうか。
人間以外の生き物に関しては、その埋葬法を法律で規定されてはいませんので、可愛がっていたペットの骨を庭に埋めること自体が法に触れることはありません。
しかしながら、ことはそんなに単純でもないんです。
何がどう単純ではないかについて、スピリチュアルな面と現実面の2つを見ていきましょう。
スピリチュアルな視点での問題点とは
まずはスピリチュアルな面から見ると。
スピリチュアルは形のない物事を対象にした研究分野という性格上、人によって言うことが正反対だったりすることも珍しくなく、何が本当で何がデタラメなのか見極めるのがなかなか難しいです。
しかしながら、言っていることの内容をよく聴いてみると、それが本当のことかデタラメかはある程度見えてくるものです。
ですからあなた自身がしっかりと考えることと、根も葉もないことに振り回されない意思を持つことが重要です。
ではスピリチュアルではどんなことが言われているのでしょうか。
風水とかは無視してよい
風水では、ペットの死後は土に戻すのが自然の摂理にかなっていると考えるため、死んだペットの遺骨をいつまでも部屋に置いておいたり、ペットを庭に埋葬したりするのは良くないこととしています。
この風水の考え方について是非を論じるつもりはありません。
しかしながら「ひとつの考え」に過ぎないのであれば、その考えに従うも従わないも自由と言うことですから、風水と言うだけで信じたり信じなかったりするのではなく、ちゃんと自分の頭で考えて自分の立場を決めましょう。
以下はあくまで私の見解ですので、信じるも信じないもあなたが決めてくださいね。
よく、身近に死んだペット（やペットの骨、遺品など）を置いておくと気の流れが滞り風水的には宜しくないとか言いますが、それを言うなら冷蔵庫には死んだ牛や豚の肉塊があるのはOKなんですか、と思うのは私だけでしょうか。
どちらも死んだ動物の肉体という意味では同じはずなのに、牛肉や豚肉、鶏肉などは良くて、ペットが良くない理由が分かりません。
風水を否定はしませんが、こういう部分にダブルスタンダードのご都合主義を感じてしまうため、私自身は風水は全く信じていません。
ですから私は風水で良いとされることを取り入れようとも思いませんし、風水上良くないことを避けようとも思いません。
それで運気が良くなったり悪くなったりしたことはありませんし。
もう20年ほど前の話ですが、私の友人の占い師に自宅のリフォームについて風水で視てもらったことがありました。
その占い師は友人ですし、観てくれるというのを断る理由もなかったので視てもらったところ、いくつものアドバイスをしてくれました。
寝室のベッドの位置はこうした方が良い、ここには観葉植物とか生き物をおかない方が良い、本棚の向きがああだこうだ・・・と、けっこうたくさん教えてくれましたっけ。
しかしそのアドバイスを実行すると、当初考えていた間取りやインテリアの配置を大幅に変えねばならず、自分的には居心地の悪い空間になりそうでした。
結果、私は友人の占い師のアドバイスをすべて無視して自分の良いようにしましたが、それで何か生活面で不都合が起きたことなんてこれまでに一度たりともありません。
この件以来、風水なんて信じるに足るものではないと確信した次第です。
まあ、あなたが風水を信じるのは自由ですが、私は風水に効果がないことを経験上知っているため全く信じていません。
ですからペットの骨を庭に埋めるのが良くない、という風水の考えも完全無視して飼っていたハムスターを庭に埋葬しましたが、別段なにも悪いことなんて起きていません。
ま、当たり前ですけどね。
風水に限らず、占いの類いを信じる人が多いことに私は少なからず驚いています。
霊媒師とかの言うことも無視してよい
また、Q&Aサイトではペットの庭への埋葬是非についての質問に「絶対にダメ」と回答しているものがありました。
その理由が、
家族（飼い主）の近くに埋葬すると、家族が恋しくなって安らかに眠れないんだそうです。
この回答をしていたのは霊媒師でした。
この霊媒師、私に言わせれば「本当に霊媒師なんですか」と思ってしまいます。
だって、人間でも動物でも死というのは「機能しなくなった肉体から意識が離れて」死後世界という非物質界へ移行することですから、よほど特別な理由がない限り意識がその場に止まってしまうなんてことはありません。
この霊媒師は「ペットが安らかに眠れない＝成仏できない」と説明していましたが、この説明からして本末転倒です。
もしペットを庭に埋葬して問題が起きるとすれば、それは死んだペット側ではなく飼い主側の問題ですから。
飼い主が、いつまでも死んだペットが近くにいると言うことに何らかの感情を抱いてしまうことで問題が起きてくる可能性はゼロとは言えません。
人間ですら、死ねばこの世に未練なんてほとんど感じることなく死後世界へと移行していくのですから、動物が飼い主に未練を残すなんてほぼ有り得ないことです。
それを「動物が安らかに眠れない」とか言っている段階で、自分は死後世界について何も分かっていないと言うことを暴露しているようなものですから。
庭に埋葬する・しないに関しては、飼い主のあなたがどう考えるかだけの問題です。
風水とか霊媒師の戯れ言に振り回される必要なんてありませんよ。
スパッと無視しましょう。
つまりスピリチュアルの視点では問題なし
事ほど左様に、スピリチュアル界隈の人たちはあることないことを取り混ぜていい加減なことを言ってきます。
そうした連中の言うことを真に受けるのはあなたの勝手ですが、スピリチュアルの専門家の端くれとして言わせていただけば、庭にペットを埋葬することには何の問題もありません。
あなたが気の済むようにすれば良いと思いますよ。
現実面で考えるとけっこう大問題
スピリチュアルでは問題なしと説明しましたが、現実面ではちょっと厄介な問題が発生する可能性がいくつかありますので注意が必要です。
私たちは現実世界に生きているわけですから、むしろ現実世界における問題点にしっかりと目を向ける必要があります。
いろいろとあるとは思いますが、代表的な物をいくつか紹介しますね。
ペットの骨は「廃棄物」扱い
まず、あなたがどんなに可愛がっていようと、家族の一員として家族同様に生活していようと、ペットが死ねば法律上は「モノ」として扱われます。
モノですから、人間と違い埋葬に関する決まり事がないんですね。
ただし、モノですから埋葬ではなく「処理」の仕方に関しては決まりがあります。
例えばあなたが死んだペットの死体もしくは骨を道ばたにそのまま置き去りにしたりすれば、あなたは不法投棄したとして法律で罰せられます。
使わなくなった家電品を野山に捨てる人がいますが、そういう人と同じ罪に問われるわけです。
なんだ、私の可愛いペットをそんな壊れた家電品と一緒にするな、とお怒りかもしれませんが、法律上はそういうことになるんです。
しかしながらこれはあくまで法律上の解釈であって、社会通念上はペットは廃棄されるものと考える人はほとんどいないでしょう。
ほとんどの飼い主は、人間と同様に供養して埋葬するでしょう。
だって家族だから。
で、大事な家族だったペットをずっと自分の近くに置いておきたいと思い、庭に埋葬しようと考えるわけですよね。
先ほども説明したとおり、ペットに関しては埋葬にのきアリがあるわけではありませんので庭に埋葬しても法的に問題になる行為ではありません。
しかし、もしあなたが何らかの理由でその土地を手放すことになった場合、ペットの骨をそのままにして売却すると問題になる場合があります。
新しい土地の所有者が掘り起こした際に動物の骨が出てきたりすると、最悪の場合訴訟トラブルに発展することもあります。
骨は年月とともに土に返ると思っていた、何て言い訳しても、何千年も前の人や犬などの骨が発掘現場から出てくることもあるくらい、そう簡単に土に買ったりはしないんですよ。
また、その土地にずっと住み続けるにしても、近隣の住人の中には近くに骨が埋まっていることに不快感を持つ人がいるかもしれません。
こうしたことが住人同士のトラブルに発展することもありますので、自分の思いだけで庭に埋葬するというのも考え物です。
あなたは個人という立場と同時に社会の一員でもありますので、そうしたことも十分に考慮する必要があるということを忘れないようにしましょう。
小動物なら庭に埋めてもOK
とはいうものの、小鳥とかハムスターのような小さな生き物であれば、庭の片隅に埋葬しても問題ないと言えます。
こうした小さな生き物の骨は比較的短期間で土に返っていきますので、犬や猫を埋葬するよりはかなりハードルが低いと言っていいと思います。
ただし注意点がひとつ。
埋葬するときは少し深めの穴を掘って埋葬しましょう。
小動物の場合、火葬したりせずそのまま埋葬するのがほとんどでしょうから、あまり浅い穴ですと匂いを嗅ぎつけて野良猫などが掘り返してしまうことがあります。
ペット専用の納骨堂を利用する
上記のような問題点を理解した上で、それでも庭に埋葬するか。
で、もし庭に埋葬しない場合にはどうすれば良いか。
ペット専用の葬儀業者や納骨堂がありますので、そうしたサービスを利用するのがいいでしょう。
単純に供養・納骨をしてくれるものから、家族立ち会いのもと供養・火葬した後に返骨してくれるものなど種類もいろいろと選べます。
費用的には、亡くなったペットの大きさ（体重）により変わってきますので、事前に見積もりをとっておくと安心ですね。
またペット専用の納骨堂というのもありますので、火葬後のペットのお骨を納めておくことも出来ます。
結局のところ
今回は、亡くなったペットの骨を庭に埋める事の是非について説明してきました。
庭に埋葬すること自体は法的な問題は特にないため、あなたがどうしても庭に埋葬したいとお考えならばそれをしても問題はありません。
ただし法的に問題がないからといって社会的にも問題がないとは言い切れないということはしっかりと理解しておく必要があります。
総合的に考えれば、人間の家族と同様に葬儀を執り行い、火葬した上でペット専用の納骨堂に納めるのが最も良い方法ではないかと思います。
長い時間を家族として一緒に過ごしたペットだからこそ、納得のいく形で葬ってあげたいという気持ちを大切に考えてどうするかを決めましょう。
ということで今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。
