最初にあなたに質問です。
あなたはこれまでに「あー仕事辞めたいゎ」と思ったこと、ありませんか?
全員とは言いませんがほとんどの人は一度や二度は今の仕事を辞めたいと思ったことがあるんじゃないでしょうか。
でもほとんどの人は辞めていない。
なぜでしょうか?
逆に仕事を辞めた人たちは、なぜ辞めたのでしょうか?
実は仕事の辞め時には、ある決まった「サイン」があるんです。
このサインを見逃さなかった人がうまく仕事を辞めている、というか新しいスタートを切っているんですね。
今回はこの「仕事の辞め時サイン」について、実際に仕事を辞めた私自身の経験も交えて説明していこうと思います。
仕事の辞め時にあなたに訪れるサインとは
仕事を辞めたい・・・
あなたはどんなときに仕事を辞めたいと思いますか?
・やりたい仕事をやらせてもらえない
・上司や同僚との人間関係が上手くいかない
・忙しすぎてプライベートがほとんどない
・自分の成長に寄与しているように思えない
・そもそも仕事がちっとも面白くない
・もっと他にやりたいことがある
人によってさまざまな状況があると思いますが、その仕事を続けることに大なり小なり違和感のようなものを感じているときに仕事辞めたいな・・・と思うのでは?
おまえはサラリーマンになるのか?
ここで私の実体験をお話ししようと思います。
私が大学を卒業して最初に就職したのは大手測定器メーカーでした。
大学が理系だったこともあり配属されたのは技術部という部門で、いわゆる製品を設計開発する部署です。
そこで世界最高水準の空気圧測定器のセンサを開発していました。
来る日も来る日も実験とデータ取りで夜遅くまで残業、土日もどちらかは出勤という開発部隊としては比較的よくある多残業の職場でした。
同じ職場の同僚や上司はそんな状況でも嬉々として仕事をしていました。
仕事のためなら夜遅くまでの残業や休日出勤なんて当たり前、というタイプの人たち。
でも私はそれが嫌でした。
仕事はもちろんやりがいのあるものでしたし嫌いじゃありませんでしたが、プライベートがどんどん犠牲になっていく状況がどうしても納得できなかった。
そんなある日、上司から土日の出勤を打診された私は用事があるので休みたいと申し出たところ、
「おまえはサラリーマンになるのか?」
と言われました。
最初、私はその言葉の意味が分かりませんでした。
サラリーマンになるのかって・・・サラリーマンじゃん俺。
上司が言いたかったのは、普通のサラリーマンみたいになるな、ということだったんです。
世界最高水準の技術開発の現場なんだから、プライベートなんて二の次。
そういうことだったんでしょう。
当時は私も若かったため、それ以上上司に逆らうことも出来ずプライベートを犠牲にして仕事をしたもんでした。
今こんなことを上司が言おうものなら、即パワハラで訴えられてしまいそうですが、当時はこんなのが普通だったんですね。
そして別の機会にその上司は
「今は納得いかなくてもそのうち慣れるから。慣れるまでの辛抱だから」
と私に言ったことを覚えています。
このとき私は心の中で
「絶対に慣れるもんか!なんで自分のプライベートを犠牲にしなきゃいけないんだ」
と思っていました。
しかしそのフレーズを直接上司に言うことも出来ず、辛抱して仕事を続けましたが結局その状況に慣れることはありませんでした。
・・・もうこんな仕事、辞めたいな。
その頃は毎日そんなことを考えていましたが、辞める勇気もなくただズルズルと流される毎日でした・・・
数年が経ち、私は人事異動で技術部門から営業支援の部署に配置転換されました。
その職場は営業部門が製品を販売するための後方支援部隊で、展示会や新製品説明会の主催、新製品のカタログ製作、営業マンからの問い合わせ対応などが主な仕事でした。
その仕事はなぜか私に合っていたようで、仕事が面白くてたまらなくなっていきました。
技術部時代に毎日のように仕事を辞めたいと思っていたのが嘘のようでした。
あのとき仕事を辞めないで良かった、と思いました。
この会社の考えについて行けない
もうひとつ。
先ほどの例とは異なり、私が実際に仕事を辞めたときの話を紹介しますね。
あれは忘れもしません、東日本大震災のときのことです。
多くの人が家族を失い、家を失い、それまで築き上げてきたありとあらゆるものを失ってしまった大震災。
私は東京にいましたので直接の被災は受けなかったものの、間接的にはさまざまな変化を目の当たりにしたものです。
多くの人たちが被災者を支援したりする中で、私のいた会社の役員がこんなことを言いました。
「こんなときこそ大きなビジネスチャンスだぞ」
世の中が大きく変化してしまったからこそ、新たなビジネスチャンスはきっとある、それを探して会社の利益を伸ばせ、と。
考え方そのものは間違っていないと思いますが、震災直後のあのタイミングでそれを言うことに私は感情的に大きな違和感を覚えました。
被災者を助けるために何をすべきかを考えてそれを会社の事業として立ち上げる、というのなら分かりますが、私の勤めていた会社の役員は「火事場泥棒」的な意味合いで儲けるための方策を探せと言ったのです。
そして私の上司や同僚たちは誰ひとりそれに違和感を感じることもなく、役員の言うビジネスチャンスを模索したのでした。
そのときに私が感じたのは、
「こいつらマジでヤバい・・・」
ということでした。
多くの人や企業が「人助け」をしているさなか、自分たちの儲けのために「人助けもどき」をしようとしていた。
人助けと人助けもどきは天と地ほどの違いがあります。
人助けは「人を助けるためなら出来ることは何でもする」が基本ですが、人助けもどきは「自分たちが儲かる人助けはするが儲からない人助けはしない」んです。
この会社は私のいるべきところではない・・・
本気でそう思いました。
とはいうものの、私にも家族がおり生活していく必要がありますし住宅ローンもまだ残っていましたから、すぐに会社を辞めるわけにはいきませんでした。
しっかりと生活していけるだけの準備が出来るまでは辞めるわけにはいかない。
結局辞めるまでに9年もかかってしまいましたが、定年退職を待たずに会社を辞めることが出来ました。
私が会社を辞めたのが57歳の時ですから、あと3年で定年退職です。
あと3年待てば退職金を満額で貰えたのに、なぜそれを待たずに辞めてしまったのでしょう?
その答えは「そのときが辞め時」だと思ったからです。
なぜそのときが辞め時だと思ったのか、その辺を次に説明しますね。
仕事の意味についてスピリチュアルに考える
普通に考えて、仕事を辞めるのって大きな決断を伴います。
なぜなら仕事辞めることで今後の人生が全く変わってしまうからですね。
人間はもともと保守的な生き物ですから、現状にそこそこ満足しているならその環境を変えようとは思いません。
お腹がいっぱいのライオンの前に美味しそうな餌をぶら下げても見向きもしないのと同じことです。
ですから多少「仕事を辞めたいな」と思ったとしても、その思いが中途半端な状態では実際に仕事を辞めるための行動に出ることはありません。
衝動的に仕事を辞めてしまう人もいるかもしれませんが、そういう辞め方は決してオススメしません。
なぜならそういう仕事の辞め方は「辞め時のサイン」に従った行動ではないからです。
辞め時のサインを無視して仕事を辞めてしまうと、必ず後悔することになりますので、間違っても勢いだけで仕事を辞めてはいけません。
仕事を辞める理由を頭で考えてはいけない
ここで大事なポイントをお話ししますね。
それは「仕事を辞めるかどうかは理詰めで考えても答えは出ない」ということ。
これってどういうことでしょうか。
多くの人は頭で考えて、これこれこういう理由があるから仕事を辞めるべき、いやこういう理由もあり得るから軽はずみに辞めるべきではない、と決断を迷ってしまいます。
なぜ決断を迷ってしまうのか、これにはちゃんとした理由があります。
それは未来のことは分からないからですね。
今までの経緯から仕事を辞める、という決断は出来るかもしれませんが、仕事を辞めてその先どうなるか・・・誰にも分かりませんよね?
未来のことは頭で考えても答えが出ないため、本当に辞めて大丈夫かは明確な答えがないんです。
それで迷ってしまう。
理詰めで考えるからこういうことになるんですね。
これまでの状況ではなく、これからどうしたいのか
ここで少しスピリチュアルな視点で考えてみましょう。
あなたはなぜ仕事を辞めたいと思っているのでしょうか?
職場の人間関係?仕事がつまらない?もっとやりたいことがある?給料が安い?
人それぞれ理由はさまざまでしょう。
その理由がどんなものであれ、あなたが「あー仕事もう辞めたいな」と思うものならば、それはあなたへのメッセージです。
あなたはこのままで良いんですか?
というメッセージ。
このとき、是非ともあなたの未来に目を向けてみてください。
このまま今の仕事を続けたら、自分はどうなってしまうのか?
本当にどうなるかはわかりません、そんなもの誰にも分かりません。
でも想像は出来ますよね?
このまま仕事を続けた場合の自分の未来を想像したとき、それがあなたにとって好ましいものなのかどうか。
好ましいとまでは行かなくとも、まあ良いんじゃないの、と思えるなら無理して仕事を辞める必要はないでしょう。
少なくとも今はあなたにとって仕事の辞め時ではないということです。
しかし、そう遠くない将来の自分の姿を想像したときにそれを受け入れられないものなら、本気で仕事を辞めることを考えた方が良いでしょう。
あなたはこのままで良いんですか?
このメッセージに対するあなたの答えが「ノー、絶対ノー、このままだととんでもないことになる」と思えるなら、これこそが仕事の辞め時のサインです。
理屈ではなく感覚を信じた方がうまくいく理由
事ほど左様に、仕事の辞め時をあなたに知らせるサインは案外シンプルなものです。
仕事を辞めたいなと思ったときに、辞める理由を考えるのではなく辞めずにいた場合の自分の将来を考える。
このままいった場合の自分の「将来の姿」そのものが仕事の辞め時を知るサインです。
ま、良いんじゃね、このままでも。
と思えるなら仕事は辞めない方がよろしい。
でも自分の未来の姿を想像したとき、ちょっとでも違和感があるなら、真剣に仕事を辞めることを考えた方が良いかもしれません。
そこは理屈ではなく、あなた自身の「違和感」という感覚を信じるべきです。
違和感はあなたを正しい未来へと導く、精度の高い「羅針盤」ですから。
結局のところ
今回は、仕事の辞め時を見極めるサインについて説明してきました。
多くの人が仕事を辞めて失敗するのは、辞める理由を頭で考えるからです。
頭で理詰めで考えたところで、正しい結論なんて出るわけがない。
信じるべきは理屈ではなく感覚です。
あなたの感覚が、最も正しい答えを導いてくれるものです。
あなたのその感覚を信じられるか。
それが全てです。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。