シータヒーリングって、ヤバくね?
なんて思っている人はけっこう多いようですね。
シータヒーリングに限らず、スピリチュアルでは目に見えないエネルギーを扱うため、科学で説明のつかない物事に抵抗感のある人には受け入れがたいという側面があるのは事実です。
そんな中においても特にシータヒーリングは「やばい」「怪しい」と言われることの多いものですが、多くのシータヒーラー(プラクティショナー)たちはその原因を受け手の心の準備の問題だと言っているのをよく目にします。
本当にそうでしょうか?
今回はシータヒーリングは本当にやばいのかについて、スピリチュアル専門家の立場から考えてみたいと思います。
シータヒーリングとは
まずシータヒーリングについて簡単に説明しておきますね。
シータヒーリングとはヴァイアナ・スタイバルという人が1994年に始めたもので、瞑想の手法を応用したヒーリングです。
ヴァイアナ自身が自らに発症した癌をこの手法で治したことから、他の人にも同じ手法を施して多くの人の病気を治療した・・・とのことです。
そしてこの手法でヒーリングが起こるときには脳波がシータ波にあるため、シータヒーリングと呼ぶんだそうです。
最初にお断りしておきますが、私は実際にシータヒーリングを受けたことはありませんので、実体験からシータヒーリングの賛否を議論するつもりはありません。
この手法そのものにどの程度の効果があるのかは「わからない」ということを最初に言っておきたいと思います。
もしも興味がある人は、私の記事も含めてネット上に散乱している情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身で確認することをお勧めします。
実際に施術を受けたところで効くか効かないかのどちらかであり、とんでもないことが起きるわけではありませんから、幾ばくかの費用はかかるもののそれが最も正しい判断に繋がります。
この記事で私が目指しているのは、スピリチュアルの視点から「なぜシータヒーリングはやばいと言われることが多いのか」その理由について考察することです。
シータヒーリングの原理と効果
シータヒーリングは施術士(ヒーラー/プラクティショナー)とクライアントが1対1で行います。
最初にカウンセリングに似た会話によりクライアントの思い込みや思考パターンを浮き彫りにした後、施術士が瞑想状態に入ります。
このとき施術士の脳波はシータ波になっており、この状態でクライアントの潜在意識に働きかけることで不要な思い込みを書き換えたり秘められた能力を呼び覚ましたりします。
つまり施術士が瞑想により脳波をシータ波にすることで、クライアントの肉体的・精神的・霊的な全てのエネルギーを浄化したり意識を書き換えたりすることが出来るんだそうです。
具体的な効果として以下のようなものが挙げられています。
前世・過去世を視る
シータヒーリングではクライアントの前世や過去世が見えるため、これにより現世に影響しているトラウマなどを解消する効果が期待できるんだそうです。
インナーチャイルドを癒やす
過去の記憶や感情から生じた好ましくない思い込みを書き換えることで、インナーチャイルドを癒やすことが出来るそうです。
まあこれはある種の潜在意識の解放のようなことなんでしょう。
ハイヤーセルフ(高次の自分)に繋がる
施術士はクライアントのハイヤーセルフと繋がることで、クライアントの悩みや解決策を知ることが出来るんだそうです。
こうして施術士が受け取ったメッセージをクライアントに伝えることで、より良い方向へと導いていくんだそうです。
浄化・除霊ができる
シータヒーリングのワークに「浮遊霊を囚われから解放する」というものがあるんだそうですが、これを行うことで攻撃的だった性格や悪癖が改善されるそうです。
これ以外にもいろいろとあるようですが、代表的なもののみをここでは紹介しておきました。
脳波をシータ波にするってどういうこと?
さて、シータヒーリングでは施術士の脳波がシータ波になるためさまざまなことが可能になると説明していますが、そもそも脳波をシータ波にするってどういうことでしょうか?
脳波というのは、脳表面から出ている「微弱な電流」のことで、この電流の振動数(周波数)が意識状態の変化に連動して変化することが分かっています。
つまり脳波と意識には強い相関関係があると言うことです。
私たちが普段目を覚ましているときの脳波はベータ波(β波)と呼ばれ、周波数は13Hzから24Hz程度となります。
私たちがリラックスしているとき、脳波の周波数はベータ波よりも下がってきます。
周波数としては13Hzから7Hzであり、このときの状態をアルファ波(α波)と呼びます。
そして私たちが眠りに落ちるとき、脳波はさらに周波数が下がります。
浅い眠りから中程度の眠りの際の脳波をシータ波(θ波)と呼び、周波数は7Hzから4Hz程度です。
このシータ波は眠っている状態だけでなく深い瞑想状態に入ったときにもこの周波数になると言われています。
さらに眠りが深くなると脳波の周波数はさらに周波数が下がります。
4Hz以下まで周波数が下がった状態の脳波をデルタ波(δ波)と呼びます。
このように脳は通常の状態からリラックスの度合いが高まるにつれ脳波の周波数が下がっていきます。
それに伴って意識もリラックス状態から徐々に睡眠状態へと移行していくわけですね。
こうした意識状態を眠ることなく実現するための手法として瞑想がありますが、瞑想が深まることで脳波はシータ波になります。
つまりシータヒーリングにおいて脳波をシータ波にするとは、施術士が深い瞑想状態になることで自らの脳波をシータ波にまで持って行くと言うことです。
ですが・・・
シータヒーリングに関する疑問
ここまではシータヒーリングの原理と効果について説明してきましたが、ここからはシータヒーリングに関する幾つかの疑問について考察してみたいと思います。
あくまで「疑問」であり、シータヒーリングそのものを否定するものではないことを繰り返しお断りしておきます。
基本的にスピリチュアルの世界では科学的に説明の付かない「目に見えない、形の存在しない、得体の知れない」事象について扱いますが、シータヒーリングにはそんなスピリチュアルの世界に身を置く私からしても首を傾げざるを得ないことが幾つかあるんです。
どうして脳波がシータ波になったと判断できるのか
まず基本的な疑問として、施術士はクライアントとの会話の後、比較的短時間で自らの脳波をシータ波に持って行くようですが、そんなことが果たして可能なのか?
これがひとつ目の疑問です。
瞑想をやったことのある方なら分かると思いますが、深い瞑想状態に入るのはそんなに簡単なことではありません。
しかしながらしっかりと訓練された人ならこうした深い瞑想状態に入ることも可能とは思いますが、本当に深い瞑想状態に入ったことを本人はどうやって知るのでしょうか?
自分の脳波がシータ波になったことなんて、脳波測定器を用いない限り自分の感覚だけで判断することは不可能です。
つまり施術士の脳波がシータ波になったかどうかを知ることの出来る人は本人も含め「いない」というのが事実です。
確かに感覚的に「深い瞑想状態」に入ったかどうかを感じることはある程度可能でしょう。
しかしどうなったら深い瞑想状態に入ったといえるのかを知る術は測定する以外にないんです。
シータヒーリングの創始者であるヴァイアナ・スタイバル自身は物理学者に自らの脳波を測定してもらったようですので脳波がシータ波になっていたのは確かでしょう。
しかし日本国内でシータヒーラーを名乗る人たちはどうでしょう?
ちゃんと測定しているのかもしれませんが、測定しているという事実を確認することは出来ませんでした(私の調べ方が不十分な可能性はありますが)
このことはとても重要で、もし施術士の脳波がシータ波になっていることが明確でないならば、そもそもシータヒーリングでもなんでもないということになってしまうんです。
だってシータヒーリングは施術士の脳波がシータ波になっているから成り立つのですから。
ヒーラーには本当に「見えて」いるのか
ふたつ目の疑問は、施術士には本当にクライアントのハイヤーセルフと繋がっているのか、そしてクライアントの前世・過去世が本当に見えているのか、というものです。
私は他人のハイヤーセルフに繋がるとか、他人の前世や過去世が見えるといった類いの話には否定的な立場です。
他人のハイヤーセルフに繋がる場合、本当に繋がることが出来るのかということと同時に、本当にそのクライアントのハイヤーセルフと繋がったということが分かるのか、という問題があります。
クライアントのハイヤーセルフではない高次の意識存在と繋がってしまうことだって十分にあることですから、そこから得られる情報がどこまで信憑性のあるものか判断が難しいと思います。
ほとんどの場合は、そもそも他人のハイヤーセルフに簡単に繋がることなんて出来ないと思いますから、シータヒーリングの施術士がみんなそれが出来るとすれば、よほど優秀な人たちなのか嘘つきなのか・・・どちらか判断する術はありませんが。
施術士自身のスキル不足で、クライアントに間違った情報を与えてしまう危険性だってあるわけですから、そう考えるととても怖いことと言わざるを得ません。
こうしたスキルの問題から、私は他人のハイヤーセルフに繋がろうと試みたり他人の前世や過去世を視ようとすることは「してはいけない」ことだと思っています。
それがスピリチュアル専門家としての私の矜持でもあるわけですが。
好転反応?
3つめの疑問は場合によって好転反応と呼ばれる症状が出るというものです。
シータヒーリングを受けたクライアントがその後めまいがするなど体調が悪くなったりすることがあるそうですが、これは本当に「好転反応」なんでしょうか?
シータヒーリングはエネルギーワークの一種のようですから、エネルギー的に合わなかったり普段とは違ったエネルギーに触れることで肉体が過剰に反応してしまうことがある可能性は十分にあると思います。
しかしそれを好転反応と言ってしまっていいのでしょうか?
多くの場合、単なるエネルギー酔いのようなものに過ぎないのでは?
シータヒーリングがやばいと言われる原因とは
シータヒーリングに関する私の疑問をいくつか挙げてみましたが、この辺の内容については有耶無耶にしておくのは良くないと思います。
スピリチュアルだからと言って「なんでもあり」と言うことではないんですから。
もしそのように考えてこうした疑問点を明確にしないのであれば、それは同じスピリチュアルの世界にいるものとしてとても残念です。
スピリチュアルは科学のように合理的な説明の付く分野ではないのですから、なおさらいい加減な態度は禁物だと思うんです。
その辺をないがしろにすると「シータヒーリングやばい」と言われるんだと思います。
もちろん全てのシータヒーリングの施術士がそうしたいい加減な人だというつもりはありません。
きっとほとんどの施術士はしっかりとしたスキルを持ち、クライアントに信頼される施術を行っているんだと思います。
しかしひと握りでも中途半端な人が混じることで、シータヒーリングそのものの評価が下がってしまう。
そしてそうした不信感はシータヒーリングにとどまらず、スピリチュアル全体の不信感へと繋がってしまうんです。
その辺をしっかりとご理解いただき、もしご自身のスキルに不安があるなら是非ともスキルアップに努力していただきたい。
シータヒーリングやばい、という声がなくなるように心より祈っています。
結局のところ
今回はシータヒーリングについて解説してきました。
シータヒーリングに限らず、とかくスピリチュアルでは「やばい」「危険」「近寄るな」「やめとけ」といった声をよく耳にします。
それはひとえにスピリチュアルを生業とする側の意識の低さが原因だと思います。
スピリチュアルだからって「なんでもあり」だなんて決して考えないでいただきたい。
真面目にスピリチュアルに取り組んでいる人たちが迷惑しますから。
スピリチュアルの世界からそうしたいい加減な人がいなくなることを切に望んでいます。
ということで、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。