
スピリチュアルの世界では、「ブロック解除」という言葉をよく見かけます。
- メンタルブロックの解除
- お金のブロックの解除
- 引き寄せを妨げているブロックの解除
こうしたブロック解除をうたうカウンセリングやヒーリングも、数多く提供されています。
最初に私の立場をお伝えしておきます。私は、他人にブロックを外してもらうという考え方に否定的です。「あなたのブロックを解除します」という言葉は、怪しいと感じています。
私はヘミシンクのトレーナーをしており、どちらかと言えばスピリチュアル寄りの人間です。スピリチュアルそのものを否定するつもりはありません。そのうえで、なぜブロック解除には否定的なのか、理由を書いていきます。
スピリチュアルの「ブロック解除」は、なぜ流行っているのか
ブロック解除の考え方は、おおよそ次のようなものです。
お金、人間関係、仕事などがうまくいかないのは、自分の内側に「ブロック」があるからだ。そのブロックを外せば、物事は良い方向に動き出す。
この説明が受け入れられやすい理由は、よくわかります。うまくいかない原因が一つにまとまり、しかもそれを取り除けば解決するというのですから、希望が持てます。長く悩んできた人ほど、この話に惹かれるのは自然なことだと思います。
問題は、その先です。「ブロックの外し方は私に任せてください」と、誰かが言い始めるところです。
ブロック解除が怪しいと私が感じる3つの理由
理由1:他人の内面を、他人が外から変えられるとは思えない
仮に、何かに対するブロックがあなたの中にあるとします。それを外せる人がいるとすれば、あなた自身だけだと私は考えています。
私はこれまで、ヘミシンクのセミナーで延べ1,000名以上の方をガイドしてきました。その経験から言えるのは、トレーナーにできるのは環境を整え、進め方を案内するところまでだということです。参加者の代わりに体験することはできませんし、参加者の内面を私が書き換えることもできません。
ですから、「私があなたのブロックを解除します」と言い切れる人がいることに、私は強い違和感を覚えます。自分にそんな力があると、本気で考えているのでしょうか。
昔の知人にも、ブロック解除を看板にして人を集めている人がいます。そのやり方を見ていて、私は納得できませんでした。
理由2:解除されたかどうかを、誰も確かめられない
ブロックは目に見えません。あったのかどうかも、外れたのかどうかも、確かめる方法がありません。
確かめられないということは、提供する側がどう説明しても通ってしまうということです。セッションの後に変化があれば「ブロックが外れたからです」と言えます。変化がなければ「まだ別のブロックが残っています」と言えます。
どちらに転んでも説明がつく話は、私は信用しないことにしています。そして後者の説明は、そのまま次のセッションの理由になります。
理由3:何もしなければ、現実は変わらない
私たちが生きているのは物質の世界です。
私は以前、測定器メーカーの技術部門にいました。その頃に馴染んだ言い方をすれば、物質の世界には慣性の法則があります。力が加わらなければ、止まっているものは止まったままです。
これはあくまで例えですが、暮らしにも似たところがあると思っています。誰かにブロックを解除してもらったとしても、自分の行動が何も変わらなければ、現実が動く理由がありません。
- お金が足りないなら、収入を増やすか支出を見直す
- 人間関係がこじれているなら、話し合うか距離を置く
- 仕事がうまくいかないなら、やり方を変えるか環境を変える
地味ですが、現実を動かすのはこうした行動だと思います。「非物質の世界に働きかければ、物質世界の結果が変わる」という説明を、私は受け入れていません。
お金のブロックを外せば、お金は入ってくるのか
ブロック解除の中でも、とくに気をつけたいのが「お金のブロック」です。
「あなたが経済的に恵まれないのは、お金に対するブロックがあるからです。外せばお金が引き寄せられてきます」。こうした説明を、私は信じていません。お金の出入りは、収入と支出というきわめて現実的な仕組みで決まるからです。
お金に困っている人が、お金のブロックを外すためにお金を払う。この構図そのものに、私は疑問を感じます。
もし今、ブロック解除のセッションや講座に高額の支払いを考えているなら、いったん立ち止まってください。とくに次のような場合は、慎重になったほうがよいと思います。
- 借金をしたり、生活費を削ったりして支払おうとしている
- 「今日決めれば割引」などと、その場での契約を急かされている
- 一度で終わらず、上位の講座や継続契約を次々に勧められている
契約について不安があるときは、消費者ホットライン(局番なしの188)で最寄りの消費生活センターに相談できます。家計や借金の問題そのものは、自治体の相談窓口や専門家に相談するほうが、確実に前へ進めます。
スピリチュアルとお金の関係については、こちらの記事でも詳しく書いています。

そもそも「ブロック」とは何なのか
ここまで「ブロックがあるとすれば」という前提で書いてきました。では、ブロックとは何なのでしょうか。
私は、ブロックと呼ばれているものの多くは、ごくふつうの心の働きではないかと考えています。
- 失敗したくないという恐れ
- 過去の経験から身についた用心深さ
- 長年の習慣や思い込み
- 本当はやりたくないという本音
これらに「ブロック」という名前をつけると、取り外しのできる部品のように聞こえます。けれども実際には、その人が生きてきた中で身についた考え方や感じ方です。誰かが一度のセッションで取り除けるようなものではないと思います。
それに、外すべきものとも限りません。たとえば「お金のブロック」と呼ばれているものが、実は「よくわからない話に大金を出すのは危ない」というまっとうな警戒心であることもあるはずです。それを外してしまえば、失うのはお金のほうです。
自分の中のためらいが気になるなら、「なぜ自分はここで躊躇するのか」を自分で考えてみる。必要なら、信頼できる身近な人に話してみる。遠回りに見えても、私はそれがいちばん確かな方法だと考えています。
なお、気分の落ち込みや強い不安が続いていて、日常生活に支障が出ている場合は、ブロックの問題として扱わないでください。医師や臨床心理士などの専門家に相談することをおすすめします。
頼りたくなる気持ちと、私が人に委ねない理由
うまくいかないことが続くと、誰かに解決してほしくなります。その気持ちは、私にもよくわかります。
私自身、スピリチュアルなものに期待して試したことがあります。パワーストーンやソルフェジオ周波数を一時期試しましたが、効果は感じられませんでした。

そうした経験もあって、私は、人生の大事なことを赤の他人に委ねることには一貫して懐疑的です。相手がスピリチュアルカウンセラーであっても、ヒーラーであっても同じです。あなたの人生の事情をいちばんよく知っているのは、あなた自身だからです。
それでもブロック解除のセッションを受けてみたいという方は、少なくとも次の点を事前に確かめてほしいと思います。
- 料金の総額と、追加費用の有無が明示されているか
- 「必ずお金が入る」「必ず良くなる」といった結果の約束をしていないか
- 病院の受診や服薬をやめるよう勧めてこないか
- 断ったときに、不安をあおるようなことを言わないか
一つでも引っかかるなら、私は見送ることをおすすめします。
まとめ|ブロック解除を他人に任せる前に
スピリチュアルのブロック解除について、私の考えを書いてきました。
- 他人の内面を、他人が外から変えられるとは私は考えていない
- ブロックが外れたかどうかは誰にも確かめられず、どう説明しても通ってしまう
- 自分の行動が変わらなければ、現実が変わる理由がない
- お金のブロックを外すために高額を支払うことには、とくに慎重でありたい
- 「ブロック」の多くはふつうの心の働きであり、必要な警戒心であることもある
スピリチュアルには、今の科学では説明しきれないことを考える面白さがあると私は思っています。それでも、私たちが暮らしているのは物質の世界です。そこで何かを変えられるのは、自分の行動だけだと考えています。
あなたが「ブロック」と呼んでいるものは、本当に外すべきものでしょうか。それとも、あなたを守ってきたものでしょうか。
免責事項
本記事は私自身の体験や考え、および一般的に知られている情報・スピリチュアルな視点をもとに構成されています。特定のサービスや個人を指して評価するものではなく、記事内の内容は特定の効果や結果を保証するものでもありません。また、ヘミシンクは医療行為ではなく、診断や治療を目的とするものではありません。精神的な不調、強い不安感、身体的な症状がある場合や、金銭・契約に関する問題を抱えている場合には、自己判断で解決しようとせず、医師・臨床心理士・消費生活センターなどの専門家や公的窓口にご相談ください。
この記事を書いた人
Hiro(アクアヴィジョン・アカデミー公認ヘミシンク・トレーナー)
2008年よりヘミシンクを本格的に探究し、意識の拡張や内的成長をテーマに継続的に実践。
アクアヴィジョン・アカデミー公認ヘミシンク・トレーナーとして、これまでに延べ1,000名以上の参加者にプログラムを提供・ガイドしてきた実績を持つ。
著書に『軽トラでやってきた神さま』(ハート出版)がある。
現在は、スピリチュアルや意識の世界を探究するブログを複数運営中。
専門知識と体験に基づいた、初心者にもやさしい情報発信をモットーに、誰もが自分の内なる声とつながるきっかけづくりをサポートしている。
